�潟ｃ塔eローザ　村田　祥己　様
　皆様、こんばんはモンテローザの村田と申します。「最近の外食産業事業」と言う題ですが、中身はもう少し砕けたお話が出来ればと思います。私どもの会社は、「白木屋」「魚民」「笑笑」「千年の宴」等約30業態を展開している居酒屋チェーンです。業暦は26年です。店舗数は直営で1600店舗、海外は香港に2店舗、上海に3店舗です。
　 外食産業の全体像は、食事主体の「給食主体」、アルコール、お飲み物主体の「料飲主体」、そして、「お持ち帰り弁当」と3種類に分けられます。給食には「営業給食」と「集団給食」があります。前者は、飲食店、国内線の機内食、宿泊施設の食事、後者は、学校給食、社員食堂や工場の食堂といった事業所給食、病院食、保育所食です。「料飲主体」は売上げに占めるアルコールや飲み物が高いということですが、喫茶店や居酒屋、料亭、バー等がこの中に入ります。
　 外食産業の過去20年間の市場規模推移がシート4に書かれています。このグラフから外食産業全体は、1997年がピークで、そこから急速にダウンをして2005年がボトムとなり、現在は少し持ち直しているということが分かります。この中で、居酒屋、ビアホール部門は、1992年、ちょうどバブルが崩壊した頃がピークです。そして、2004年には、規模が縮小されています。この原因は、「不景気になり、飲みに行かなくなったこと」、「若年層のアルコール離れ」が挙げられます。現在20代前半の10人に1人がお酒を飲みません。お酒を飲んでも低アルコールを好みます。日本酒等でははく、ビールやサワーや度数の低いカクテルを飲む傾向が高いです。
　 最近の若者は、皆でお酒を飲んで、話し合う事を好みません。理由は「面倒くさい」からです。「人間関係を構築していく」、「親しくない人と親しくなる努力をする」事が面倒なのです。最近の居酒屋に行くと分かりますが、薄暗く、仕切りが多い個室感覚のところが多いです。それは、大勢で飲むより、本当に気の合った友達と静かにお酒を飲みたいと考えているのです。だから、出来るだけ隠れ家のような感じでお酒を飲みたいと思っているのです。最近は、大テーブル囲んで、見通しがきくような居酒屋は少ないです。お酒の飲み方の特徴としては、我々では考えられないようなことをします。例えば、チョコレートパフェを肴にカクテルを飲んだりします。最近の若者はビールを飲まないので、ビールが売れません。これが、居酒屋から見た若者の気質です。私たちは、そのような若者を「どのようにお客様として取り込んでいくか」に頭を悩ませています。
　 全ての飲食業ランキングでは、トップは「マクドナルド」、次に、「すかいらーく」、「日清医療食品」、持ち帰り弁当の「ほっともっと」で有名なプレナス、「牛丼のすき屋」や「COCO'S」等を経営しているゼンショーグループ、そして6番目に私どもモンテローザがきています。その後に、ケンタッキーフライドチキンやミスタードーナツを経営しているダスキンが続いています。これが、飲食業の現在の状況です。
　 その中で、当社は、創業以来徹底した低価格戦略でやっており、そのスタンスは変えていません。資料にピラミッド図があります。これは、私の考えですが、一番下にマス層があり、準特定顧客層があり、特定顧客層があります。特定顧客は、高級な料亭をイメージしています。準特定顧客は、その次に来るところで、1人1万円以上というイメージです。最後のマス層は、1万までいかない層です。 シートの9番にマス層の業界のポジショニングの表があります。その中で「白木屋」「魚民」「笑笑」は割り勘して3,000円でおつりが来るイメージで、1000店舗を超えます。この価格層の8割が私どものお店です。「千年の宴」や「福福屋」は3,000円くらい、「月の宴」は3,500円〜5,000円を狙った業態です。このように、低価格でマスマーケットを狙っているのが、我々の会社です。
　 最近の私たちが考えるお客様のご飲食のご利用動機は、第一に「価格に非常に敏感だ」と言うことです。元々、敏感でしたが、それがより研ぎ澄まされてきました。最近、均一価格居酒屋があります。全品300円、280円等です。節約志向の表れです。今、この競争です。私どもでも、「笑笑」の300円厨房というお店があります。300円で8品注文されると、大体2,500円となりますので、1つの目途となります。